ブルゲラ・テニス・アカデミー香港校のDavid Soutoコーチがコロナによる自粛期間中にZoomを通じて保護者向けの勉強会を開催しました。Davidコーチの華々しいジュニア時代、辛いプロ経験が赤裸々に語られるだけでなく、海外テニス・アカデミー・コーチ、プロ選手、米国大学留学エージェントなどの特別ゲストがスピーカーとして招かれました。
バルセロナにある某テニス・アカデミーの経験豊富なコーチによるコメントを紹介します。必ずしも全ての選手に当てはまることではないと思いますので、一つの参考としてご確認下さい。
初めてトップ100入りする平均年齢は23歳
逆算すると17~18歳には既にコンペティティブなレベルにいて、ATPポイントを初めて獲得する年齢が17歳で、20歳にはトップ200入りしているのが理想です。19~20歳になってもATPポイントがない場合は、トップ100入りするのは現実的には非常に厳しいと思います。
最も重要な年齢は14~18歳
身体の発育に伴い14歳になるとキッズ・テニスから力強さを伴ったテニスに変わります。12~14歳は14歳以降に向けたトランジション期間です。12歳まではテニスと学校の両立で問題ありません。ただ、14歳に向けてはテニスを取るのか、学校を取るのかの決定が大切です。学校を辞めるというのではなく、飽くまでテニスに時間を費やせるための学業面での工夫が必要となります。10歳まではテニスを楽しむことが重要ですが、10~12歳の期間にテニスの時間を増やし始めるのが理想です。
12歳まで勝てなくても心配なし
勝てなくてもパニックになる必要はありません。12歳まで強い選手の特徴は以下3つの全てで平均以上か、若しくは1つが突出しているからです。
- メンタルの成熟度
- 身体の発育速度
- 才能
14~18歳でキャッチ・アップ出来ます。最も重要な期間は14~18歳の4年間です。焦らないで下さい。
17~18歳での決断
プロを目指すのか、米国の大学に進むのかの大きな決断が必要となります。テニス王国スペインですら毎年新たにトップ100入りする選手は平均3人です。世代で見ても、毎年1~2人しかトップ100入りしてません。もし17~18歳でATPランキングが700位にいるならば、リスクを取っても良いと思います。然しながら、もしそのレベルに達していないなら米国大学経由でプロを目指すことを勧めます。ただ、米国大学入りした後の4年間で、モチベーションを維持出来るのかどうか、大学に充実したプログラムがあるのかどうかも重要です。また夏休み等の長期休暇を利用してフューチャーズに参戦したり、海外のアカデミーでトレニンーグを積む必要もあるでしょう。
18~20歳の2年間でのランキング
少なくともトップ500入りしている必要があります。そうでなければチャンスはありません。テニスをするためのコストは馬鹿になりません。17歳で海外サーキットに参入し始めればとコストが膨らみます。スペインが拠点でも、遠征には年間13,000~15,000ドルが必要、これにアカデミーでのトレーニング費用が乗っかります。ただ、テニスにかけたお金は無駄ではありません。テニスは人生の一部です。テニスを通じて人格が磨かれます。テニスで大成しなくてもテニスを道具にビジネス界で成功を収めた人は沢山います。
プロ生活でのコスト・カバー
300位内に入れれば、コストを大幅に削減することができ、80%程度のコストがカバー出来ます。100~150位に入ればコストの殆どがカバー出来ると思います。
コーチの経験は貴重
14~18歳でプロを目指す過程においては、実際にプロサーキットに出た経験のあるコーチがコーチになるのが理想です。選手のレベルが上がれば上がる程、コーチの経験が大切となります。年齢、レベルに応じてベストなコーチも違います。また男子、女子でも専門性と経験が其々異なるためベストなコーチは違うでしょう。
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